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いっつも甘えられてばっかりで、 それも嬉しくて全然悪くはないんだけども 少しくらいは、うんと甘えてみたいじゃない? たまには、いいかも 冬がすぎあれから半年以上がたった今でも、 カカシさんは相変わらず家に住みついていた。 フラッと居なくなっても、必ず2・3日すれば戻ってきたし 任務で1週間以上来れない時は、必ず一言残していった。 家に居ないときになにをしているのか気にならない事もなかったが、 前に偶然見かけた時は同じ上忍らしき人と話していたので、恐らく大抵が任務なのだろうと思った。 別に私たちは付き合っているかといえばそういう訳でもなく、(相変わらず一緒に寝ているけど、カカシさんは一切手を出してこない) じゃあ2人の関係はなんなのか、と聞かれてもにもよくわからなかった。 飼い主とペット・・・? じゃカカシさんに失礼だし(汗 友達・・・ とかが1番妥当なのかなぁ〜。 はっきりしたい気もしたが、 はっきりさせたいと問い詰めれば、 あの気まぐれ猫はたちまちどこかに行ってしまう気がしたのだ。 この関係が終わるのもなー淋しいような。 はカカシが好きだ。 しかし、カカシとはそんな調子なのでそれがそういう意味の好きにあたるのかはにも断言する自信がなかった。 カカシもカカシでたまに好きだと言ってくれるが、 それがご飯をくれるからなのか構ってくれるからなのか、あったかいからなのかそこにいまいち違いはないようだったし、 まぁお互いに居心地がいいならそれでもいいか、と思っていたであった。 お互いそんな調子だったので、里の者にも未だにカカシがのところに足しげく通っている事を知る者はいなかった。 しかし、それもほんのつかの間。 このあと里中にの名がカカシと同じくらいに知れわたる事になる。 今回はそんな2人のそんなお話。 「今日は残業だなー。」 今日中に済ませてしまわなければならない仕事がまだ残っていたため、は終わるまで残っていく決意をした。 今日はカカシさん、来るかな。 でも、一昨日から2日連続で居たから今日はきっと任務でいないだろな。 とはこれまでの経験からそう予測をし、心おきなく残業にいそしもうとした。 「おーなんだ、お前残業か?」 そう言ってきたのはの同期で、同じく中忍のはがねコテツだった。 「あ、お疲れ。うん、ゲンマ先輩に言われてた今度の中忍試験の資料出来てなくてさー。」 「そりゃ、大変だな。」 「大変だと思うなら手伝ってよ。」 「ヤダね。オレはこれからイズモと飲みに行くの。」 ちょっと当てにしたは裏切られた気分だった。 「ふーん。あんたら仲いいわねー。」 「あ?まーな。」 「そんなんだからいつまでたっても彼女出来ないのよ。」 「はァ?!なんでだよ。お前ケンカ売ってんのかよ。」 コテツに彼女が出来ないのは、違う理由があったのだが。 チラ、とコテツはを見た。 ・・・・そんなこと言えるかよ。 なんだかに意味ありげな視線を送っていたが、 一方のはそんなことはお構い無しにすでに残りの仕事に取りかかっていた。 「イズモ待ってるんでしょ?早く行ってあげたらー。」 その言葉に反して、コテツはの隣にどかっ、と腰をおろした。 「かせ。」 「え?」 「だーかーら、仕事。よこせって言ってんの!」 「ちょ、だってイズモと飲みに行くんでしょ?いいよー。」 「オレがいいって言ってんだからいーんだよ。イズモとなんて別にいつでも飲みに行けるだろ。」 変なの、さっきヤダって言ったくせに。 コテツがなぜ急に手伝ってくれる気になったのかはさっぱりわからなかったが、 これでもしカカシが来たとしても早く帰れるだろう、とはコテツに残っている仕事を半分渡した。 「はぁーやっと終わったぁ〜!!」 は固まった筋肉をほぐすように肩をとんとんと叩いた。 「お疲れさん。」 「なんか悪かったね、無理矢理手伝わせて。」 「いーんだよ。オレが勝手にやったことだしな。」 「イズモにも悪い事しちゃったなー。」 「そう思うんなら今度おごれよ。」 「えーあんたら2人とも、飲む量半端ないじゃない。」 前に3人で飲みに行った時の事を思い出して、はげっそりとした顔をした。 「それもそうだな。じゃあおごれなんて言わねーからよ、今日一杯付き合えよ。」 「あ〜ごめん。また今度ね。」 カカシが来ない確率の方が高かったが・・・もし、と来た時の事を思うと簡単に家を空けられないであった。 「なんだー?お前最近付き合い悪くないか?」 こないだもダメっつったしよ、とコテツは追及の目でを見た。 「あ、いやあの最近全然飲めなくてさ〜あははは(汗」 ふーん、と言ってコテツはそれ以上突っ込んではこなかった。 セーフ(汗 まさかカカシさんの帰りを待ってるから、なんて言える訳ないよね。 ・・・・里中のくの一に恨まれる気がする。 そうでなくても、あれほど人気の高かったカカシである。 付き合っている訳でなくとも、よく思わない人たちがたくさんいるだろう。 あの噂の時だって大騒ぎだったんだから。 以前里中に流れたカカシが1人の女の所に落ち着いたらしい、という噂を知ったくの一たちは悲しみにくれた。 その女が誰なのか血眼になって探す人もいたとかいないとか・・・。 そんな人たちにバレた日には何をされるかわからない。 幸い、あのカカシがさえないただの中忍の女の元に転がりこんでいる、などとは誰も思わないのかまだ疑われてすらいなかった。 そんな中黙って知らないフリをしているのが1番だ、とは思っていた。 それに・・・・、聞かれても私とカカシさんの関係ってうまく説明出来ないしね。 そんなこんなで、コテツとは別れては1人家に帰った。 玄関の前に佇む人が1人。 「あれ?カカシさん?」 「おかえりー。」 「あ、ごめんなさい!私今日残業だったんです!」 「うん、知ってる。」 「え?あ、とりあえずここじゃなんですから中に入りましょ。」 は鍵をあけてカカシに中に入るように促した、 ・・・・がいつまでたってもカカシは中に入ろうとしない。 「カカシさん?入らないんですか?」 「オレ・・・邪魔?」 「は?」 カカシの言っている意味がわからない。 「邪魔になったら言ってねって言ったよね。」 「何の事です?」 今まで下を向いていたカカシは、はっきりとの目を見て言った。 「今日のあれ、ダレ?」 はしばらくの間、カカシの言っている人が誰なのか検討もつかなかった。 「あれって、どれの事です?」 「今日、部屋開いてなかったからのトコに行ったんだ。そしたら・・・。」 「あぁ〜!コテツの事ですか?」 「コテツ?知らないけど。」 「来て下さったなら声かけてくれればよかったのに。コテツは私の同僚ですよ。」 「ふーん、なんか仲よく話してたからいいやって思って。」 心なしか、カカシがむくれているような気がした。 「でも、ちゃんと家に来てくれたんですね。」 先ほどから言わんとしている事がなんとなくわかって、はカカシをかわいく思って少しいじめてみたくなった。 「・・・・だって、他に帰る所ないんだもん。」 クスクス、とは笑った。 「なんで笑うの?」 「カカシさん、自分のお家があるのに。」 「1人はヤダ。」 「ま、立ち話も何ですから。どうぞ?」 まだ少し面白くないカカシだったが、いつまでもそうしている訳にもいかずに言われるままに部屋に入った。 「お邪魔しまーす。」 「ふふふ、どうぞー。」 お互いまだだったので食事をしながら、は先ほどの続きを話した。 「はがねコテツとは同期なんです。で、もう1人の同期の神月イズモと3人で、前はよく飲みに行ってたんですよ。」 「ふーん。」 「で、今日はそのコテツに仕事を手伝ってもらってたんです。」 「そ。」 再びカカシさんの機嫌が悪くなっていく気がした。 「最近は2人とも全然飲みに行ってないし、今日も無理言って仕事手伝ってもらったんです。カカシさん、どうしてだかわかりますか?」 「全然わかんない。」 はにっこりと笑いながらはっきりと言った。 「カカシさんが来るかもしれないって、思うからですよ。」 「え、・・・あ。」 カカシは少し赤くなって下を向いた。 が、すぐにそれは悲しげな表情に変わった。 「あの・・・・さ、やっぱりオレ邪魔じゃない?」 カカシのその発言に、は眉間にシワを寄せた。 「どうしてそんな事言うんですか?私言いましたよね。」 声が怒っているような気がして、カカシは恐る恐る顔をあげた。 はそんなカカシの様子を見てふっ、と眉間のシワを伸ばして優しくこう言った。 「カカシさん、私自分の言った事には責任を持つ方ですよ。」 「うん。」 ともあれ、玄関から続いていた険悪な雰囲気はこれで解消された。 お互いにお互いがなぜ怒っていたのかは全く気がつかない、カカシとであった。 「じゃあ、おやすみなさい。」 相変わらず、カカシはを抱きしめて眠る。 「?」 「はい。」 「明日は朝から出てくけど、明日中にまた来るから。」 「はいv」 いつも告げていくのは長期任務の時ばかりで、カカシがそう言ったのは初めてだった。 「おやすみ。」 そうして2人は眠りについた。 「おはようございます。」 「おはよー。」 目が覚めてもまだ半分夢の中なのか、カカシさんは眠たげにぼーっとしていた。 ふふふ、これでも里イチの天才忍者ってんだから驚きよね。 「朝ご飯、出来てますよ。」 「ありがと。」 ん〜!!っと伸びをしてからカカシはベッドから降りた。 「ん?私の顔になんかついてます?」 先ほどからじーっと、カカシがの顔を見ていた。 「なんか今日、顔色悪くない?」 「え?あ、そうですか?気のせいですよー。」 「ならいいけど。」 実は今朝起きた時から生理が始まっていて、鏡で顔を見て自分でもまたかと思っていただった。 たまにひどいのよね、いつもより厚めにファンデ塗ったつもりだったのにカカシさん鋭いなー。 の生理痛の症状はその時々だった。 顔色が悪くなるのはいつもだったが、別になんともない時もあればひどい時は貧血や痛みで起き上がれないほどになった。 薬でなんとかしているがそれでもどうにもツライ時は仕事を休んだり、早退していた。 今日はまだ大丈夫な方よね。 それに言いづらいし、変に心配かけるのもなんだしね。 とは誤魔化したままにしておいた。 その後、カカシとは部屋の前で別れては仕事場に向かった。 「おはよ、コテツ。」 「あぁ、おはよ。」 すでに仕事に取りかかっているコテツに、は隣に立って話しかけた。 「昨日はありがとね。」 「あーまぁ、いいよ。気にすんな。」 「おはよ、にコテツ。」 そんな2人のそばにイズモがやって来た。 「よーイズモ。昨日は悪かったな。」 「おはよーイズモ。ごめんね、昨日は私がコテツ借りちゃって。」 「あぁ、いいよ。別にコテツとならいつでも飲めるしね。」 「そーだぞ、イズモと飲んだってどうせつまんねー話しかしねーんだしよ。」 「悪かったね、オレだってコテツなんかと顔つき合わせてるくらいならの方がよっぽどましだよ。」 「よっぽどって、さりげなく失礼よアンタ。」 「あはは、冗談だよ。が最近付き合い悪いってコテツが駄々こねるからさ。」 「な!オレがいつ駄々こねたんだよ。」 「まーまー2人が仲良しなのはわかったから。」 「お、オイ(汗」 「それよりさ、。」 コテツがまだ何か言いたげだったがそれをイズモは遮った。 「なーに?」 「今日顔色悪くない?またいつものアレ?」 毎度の事だったので、この2人はが顔色の悪い訳を知っていた。 「う、うん。今日からでさ。」 「にしても今日は悪すぎだぜ?」 「そう?まぁ、大丈夫だよ。薬もあるし。」 そう言っても心配そうな2人だった。 「まぁ、しんどくなったら言えよ?仕事ぐらい、いつでも変わってやるからよ。」 「そうだよ、何かあってが女の子じゃなくなったら誰がコテツの面倒みると思ってるの。」 「なっ?!」「オイ///」 「イ、イズモったらそれセクハラだよー。しかも意味わかんないし。」 イヤ、ちょっとは気づけよ(涙 「なに言ってんだ、イズモ。オレは最初っからのことは女だと思ってねーよ。」 照れてるのかヤケクソなのか、もう訳がわからなくなっているコテツであった。 「別にコテツに女として見てもらおうなんて思ってないしー。」 この2人結構いい雰囲気だと思うんだけどなー、とイズモは1人思っていた。 「まぁ、何か病気があるんじゃないかって心配なだけだよ。あんまりヒドイなら病院行きなよ、。」 「んー。でも病院ってなんか苦手なんだよねー。しかも科が科だしね、行きづらいよー。」 「じゃあ、コテツに付き添って貰ったら?」 「「そんな、紛らわしいこと出来るか///!!」」 「2人とも仲良しなのはいいけど、声がでかいよ。」 「誰のせいだよ(汗」 - イズモ、テメェ! ‐いいじゃん、の事だからあれぐらい言わないといつまで経ってもこのままだよ。 ‐で、でもだな。物には順序ってもんが・・・・。 「何、2人でこそこそ話してる・・・の?」 アレ?・・・ヤバい。 ふらっ、とはその場にしゃがみこんだ。 「イ、イテテ…。」 「お、オイ!大丈夫か?!」 「あ〜うん。へーき。」 「平気って、顔色すっごく悪いよ。」 「いつもの事だから、薬飲めば治るよ。・・・・うぅ。」 はそう言ったものの、 目の前でうずくまるは顔色も真っ青で息も荒く、寒くもないのに額にうっすらと汗をかいていた。 「ヤバいだろ、無理すんなよ。今、木の葉病院に連れてってやっから。」 そう言って、コテツが床にしゃがみこむにかけより抱き上げようとしたその時。 「さわんな。」 「「え?」」 コテツとイズモが声のした方に顔を向けると、 そこにはこんな所にいるはずがない、里のエリート忍者がいた。 「キャー!!??はたけ上忍よ!!」 「ホントだわ!!カッコイイvv」 たまたま近くを通りかかったくの一達が黄色い声と共に色めきだった。 そんな女たちはお構い無しに、カカシはの側に行った。 「、だいじょーぶ?」 「あれ・・・カカシさん。どうして・・・・?」 「今朝、顔色悪いのがどうしても気になったから。」 「あ、でも任務は・・・?」 「今日は待機。それに任務よりの方が大事でしょ。」 そう言って、カカシはを抱き上げた。 「帰るよ。」 「あ、ちょっと!待って下さい。」 「ダメ、待たない。」 「行けよ、。」 見かねたコテツがそう言った。 「そうだよ、仕事はオレ達に任せて。っていうか、今のじゃろくに仕事にならないし。」 優しく言う、イズモ。 「2人とも、ありがと。」 「おぉ、ゲンマ先輩には言っといてやるよ。」 そーいうことかよ。 心なしか切なそうな表情を浮かべる、コテツ。 「いいよ。その代わり、明日ちゃんと説明して貰うからね。」 あーあ。コテツかわいそう。 心なしか楽しそうな、イズモ。 「じゃあ、また明日。」 がそう言い放った瞬間、 ドロンという音と共にカカシとはその場から姿を消した。 「今日はやけ酒だね。」 ぽん、とイズモはコテツの肩を叩いた。 「クッソー今日こそは付き合えよ、イズモ!!」 「なに言ってんの。昨日、といたいからってドタキャンしたのはコテツでしょ。」 「うるせ!!!」 いまだ騒ぎ立てるくの一たちは放って置いて、仕事に戻った2人であった。 着いた場所は、いつものの家ではなかった。 「、着いたよ。」 「あ、・・・ハァ・・はい、イテテ。」 ギュ、とは相当痛みがヒドイのか力なくカカシのベストを握った。 そんなをそっと、玄関に降ろし靴を脱がした。 自分も靴を脱ぎ、再び抱き上げると足早にベッドへと向かった。 「あれ・・・?ここ、何処ですか?」 降ろされた先に広がる見慣れぬ景色に、不思議に思ってはカカシに尋ねた。 「オレん家。こっちの方が近かったから。」 カチャ、部屋のドアが開いてカカシがもう1人入ってきたかと思えばドロン、と消えた。 「はい、病院で薬貰ってきたから。今水持ってくるね、待ってて。」 に薬を手渡し、カカシは扉の向こうに消えて行った。 カカシさん家って初めて来た・・・・。 しかも、薬。 わざわざ影分身使って、病院まで貰ってきてくれたんだ。 半ば強引にカカシが職場からここまで抱えてきた時は、ちょっとムッとしただったが カカシの優しさに触れて、なんだか不意に泣きそうなほど嬉しくなった。 たまには甘えるのも、いいかも。 「?」 水を持ってカカシが戻ってきた。 いつもは子どもで、ひたすら甘える専門の猫のくせに。 こんな一面見せられたら、胸キュンじゃないですか。 黙ったままのに、具合が悪いと勘違いしたカカシはあわてた。 「?ツライ?やっぱ病院行く??」 何だか、目の前のカカシはいまにも泣きそうだ。 「大丈夫ですよ、カカシさんが貰ってきてくれた薬がありますから。それ飲んで温かくして横になってれば平気です。」 顔色は悪かったが、大丈夫だと笑ったにカカシはホッとした。 その後は薬を飲み、カカシが冬に使わずに残っていたホッカイロをお腹にはり、ベッドに横になっていた。 カカシはベッドにもたれながらしばらく静かにイチャパラを読んでいた、 が、 「、どう?」 「大丈夫ですよ、だいぶラクになりました。」 「ならよかった。」 「カカシさんのお陰です。甘えられるばっかりじゃなくて、たまにはカカシさんに甘えるのもいいですね。」 「・・・・。」 「カカシさん?」 返事がこないので見ると、 カカシさんはベッドのそばの床に正座をして下を向き、しゅんとしおれた表情をしていた。 「ごめんね。」 「なにがです?」 「職場から無理矢理連れてきて。」 「なんでカカシさんが謝るんですか?逆に私がお礼を言う方ですよ。」 「でも・・・・オレが居なくてもあのコテツってやつが何とかしたでしょ。なのにオレ・・・」 「カカシさん、私病院苦手なんですよ。だから助かりました。それにね、」 「うん」 「私、ちょっとだけお姫さまになった気分でした。」 「え?あ、じゃあオレ王子様?」 カカシの顔が少しだけ明るくなった。 「ふふふ、そうですねv」 「ね、となり行ってもいい?」 「え?あ、どうぞ。」 急だったので、少しびっくりしたがは布団をめくりカカシの分だけ隣にずれた。 布団に入るなりきゅ、とカカシさんにいつものように抱きしめられた。 ただなんだかいつもと違うような気がするのは気のせい? 「あのね、」 「はい。」 「どうしてもが心配で職場に行った時、3人で楽しそうにしてるのがすっごくムカついたんだ。」 「私に?」 「んーん、アイツら2人に。」 「どうして?」 カカシはの問いには答えず続けた。 「しかもが倒れた時、オレ以外がにさわってほしくないって思った。」 「・・・・。」 「そう思ったら、いつの間にかオレん家連れてきちゃってて。」 「はい。」 「我に返ってどうしようって思った。」 「こんな事して、に嫌われたらどうしようって。」 「そんな訳ないじゃないですか。」 「でも、すっごくツラそうだったからそんなことよりも心配になって。」 「はい。」 「までいなくなっちゃったらどうしようってずっと考えてた。」 「生理痛で死ぬ人はいませんよ。」 「そうなの?」 「多分、そうです。」 やっぱり、少し変わっているカカシさん。 でも必死な姿や、いつもと違って優しく自分をいたわってくれるカカシさんもいいかも。 とはカカシの腕の中で思った。 「。」 「なんですか?」 急に抱きしめる腕が強くなった。 「スキだ。」 「・・・あぁ、私も好きですよ。」 一瞬息が止まるかと思った。 だが彼の言う好きは所詮、気に入っているとかそういう意味の好きだ。 だから私も軽い気持ちでそう言ったのに。 「オレのはのスキとは違うと思う。」 「どうしてですか?」 「こんな気持ちになったの、初めてなんだ。誰にも捕られたくないって思ったのも、さわってほしくないって思ったのも。 失うかもしれないって思ったら、自分も死んでしまいそうな気持ちになったのも・・・・。オレ、を自分だけのモノにしたい。」 「え・・・?」 「どうしよう、。」 「ど、どうしようって言われても///」 「たぶん、これが人を愛するって事なんだと思う。」 カカシの真っ直ぐすぎる告白に、はかぁーっと顔が熱くなるのを感じた。 「迷惑?やっぱり、オレ邪魔?」 まったく、この人は。 今まで誰かを愛するなんてことはもちろん、恋すらなにかもわからずにここまできたというのか。 いい大人のくせして。 恋も愛もわからずに、忍として生きてきたカカシさん。 そりゃ、こんな人が相手じゃ里の女たちが泣くはずだわ。 だけど私は知っている。 そんなカカシさんも、ちゃんと甘えられる人と環境があれば人の気持ちが持てるって。 「私はカカシさんが好きっていうよりは、愛おしいって思います。」 「それって違うの?」 「多分一緒ですよ、カカシさんの気持ちと。」 「あ、・・・ならいいv」 ちゅv とこの時出会って初めて、2人はキスをした。 「あーあ。」 「なんですか?」 「が生理じゃなかったら今すぐスルのに。」 「なっ!!?出てけー!!!」 はカカシを布団から追い出そうとしたが、そこはエリート忍者カカシ。 簡単には動かない。 「これ、オレのベッドだもーんv」 「もー!!!」 カカシの腕の中で、無理矢理反対をむいた。 「あ、怒った?」 そんなにカカシは少し焦った。 「あの、・・・ごめんね?」 くるっと、カカシの方を向き真っ赤な顔をしながらは 「生理が終わるまで待ってください///」 やっとカカシに聞こえる声で、そう告げた。 「うんっvv」 そうして、2人は抱きしめあって眠った。 めでたしめでたし、としたい所だがそうはいかないw 翌朝職場に行くと、はくの一たちから質問責めにあった。 「ちょっと!さん、あなたはたけ上忍とどういう関係なのよ!!」 「そうよ!昨日のあれはなに?!説明して!!」 なんとか返事をしようにも、くの一たちの剣幕に押されては何も言えずにいた。 「あの、あのですね・・・」 きゅv そんな中、は不意に後ろから誰かに抱きしめられた。 「オレ、の恋人のはたけカカシって言いまーす。よろしくv」 語尾のハートにはしっかりと殺気がこめられていたとかいないとか。 この時の話はあっという間に里中に広がった。 それからは、男女ともにカカシにもにも色んな意味で手を出そうとする者はいなくなったとさ。 根なし草だったけど居場所を見つけてからはすっかり甘えん坊な上忍カカシと、 さえないけどおっきな心でカカシの居場所を作った中忍のそんな愛のお話。 おしまいv な、長い・・・ですよね(汗 すみませぬー!!!どうしても1話に収めたくて収めたらこうなりましたm(_ _)m いかがでしたでしょうか。 『根なし草』その後のお話であります。 『根なし草』を書き上げた時からどうしても続編が書きたくって ふと思いついたらどうにもうずうずしてしまって、気づいたら一気に書き上げていました。 何を隠そうこのヒロインの生理痛の症状はワタクシです。 現在真っ最中でツラクてつらくて、助けてカカシせんせー!!!(涙 って、出来た夢(妄想ともいう)がこれですw こんな彼がいたらな〜痛みなんてないも同然ですよ。まぁ、うちのもいちおう理解はしてくれているようですが・・・どうだか。 やっぱり女性ならではの辛さですよね。こんな時は男になりたい、と切に思うワタクシ(汗 このカカシ先生は何気に気に入っているのでゴザイマスv 甘えたなカカシ先生も想像したら萌vvですよね。 そして、中忍のコテツとイズモが登場です。 えぇ、いつもと同様しゃべり方は完全にワタクシの捏造v しかもコテツにいたっては完璧にかませですな。 お2人のファンの方はお許しくださいー(汗 書いててとっても楽しいお話でしたv ではー |